建設業界も日給制から月給制へ変わっていく?

2021/10/29

埼玉県川口市を拠点とし、仮設足場の専門工事を手がける甫架設(はじめかせつ)です。

最近では、建設業において職人の給与設定のことを考える会社が増えてきました。「日給制のままでい良いのか、「それとも月給にした方が良いのか」など、会社はもちろんですが働いてくれる職人(従業員)の社会保険なども考慮に入れた上で給与設定をする必要がありますよね。

 

建設業としての働き方の現状

国土交通省が「建設業の働き方として目指していくべき方向性」と題して、資料をまとめています。


※(国土交通省:「建設業の働き方として目指していくべき方向性」 https://www.mlit.go.jp/common/001171556.pdf

 

職人の働き方が見直される背景

建設業の就業者は約500万人。うち、技術者は約30万人、技能労働者は約330万人。約3割が55歳以上であり、他産業と比較しても高齢化が進行。

  • ・このまま高齢化が進行し、入職者が少ない状況が続けば、建設現場が成り立たず、建設業が社会資本の整備・維持管理や災害対応等の「地域の守り手」としての役割を果たすことが出来なくなり、国民生活に多大な悪影響を及ぼすおそれがある。
  • ・これまでも、担い手の確保・育成に向けて社会保険の加入促進等の取り組を進めている。また、一部の建設会社では、技能労働者の直用化やグループ連携強化などの動きも見られる。
  • ・今後は、労働力人口の減少という事態を受け止め、建設産業全体の生産性向上とあわせて、入職者の確保・離職の防止に向けて、今日的な労働観に沿った一層の対応を建設業界を挙げて行っていく必要がある。

求められる今日の労働観

  • ・雇用の安定(正社員としての雇用)
  • ・労働に見合った処遇(他産業と比較して、見劣りしない賃金水準・社会保険)
  • ・休日の確保、ワークライフバランスの充実(他産業と比較して、見劣りしない休日日数・長すぎない労働時間)
  • 将来に向けてのキャリアパス

技術者に向けての方向性

  • ・政府全体で長時間労働の是正に取り組むこととされている中、建設業においても、週休2日や長時間労働の是正に取り組むべきではないか。
  • ・その際、ICTの活用などを前提とした技術者の配置等の在り方の見直しや技術者の作成する検査書類等の簡素化、施工時期等の平準化などを通じて、長時間労働の是正を進めるべきではないか。

労働基準を見直して、無駄を省いて効率よく仕事を進めていくことで、労働者側の負担も減り仕事の効率も上がるのではないかといった考え方です。

労働技術者に向けての方向性

数が多いので、一部抜粋して掲載します。より詳しい情報は画像を参照ください。

  • ・大きな方向性としては、入職促進・離職防止の観点から、正社員化・安定雇用を促進するべきではないか。
  • ・若年者の入職を促進するためには休日の確保が必須であることを踏まえて、官民を挙げて週休2日の実現のための施策を検討するべきではないか。
    その際、日給月給制では、週休2日・休暇確保のインセンティブが弱いことから、月給制への移行を促す必要があるのではないか。
  • ・多能工育成のための促進策を検討するべきではないか。
  • ・国内での人材確保・育成や生産性向上に最大限努めつつ、外国人材の将来的な活用の方向性を検討すべきではないか。

正社員としての雇用形態の変化や、同じく労働基準の見直し、さらに海外からの職人さんの将来性を考えた働き方や、単一作業だけでなく幅広く作業ができる多能工としての働き方の促進など、様々な面での課題解決に向けた施策が記載されています。

ここからもわかるように、建設業に携わる人たちの給与問題は深刻です。

 

変わっていく建設業界。職人の考え方も変化している?

ここでは、甫架設社長に聞いた、昔と今の建設業界の違いを記載します。

“昔は仕事最優先で家庭よりも会社が上でした。例えば、子供の運動会を見に行く、なんてことはとてもできませんでした。(建築業界ではまだざらにあります)また、職人自身の給料に対する考えも、「今月は多かった少なかった」などと目先のことしか考えていませんでした。

最近残ってくれている若い人は家を買いたい、家族がいる、車買いたい、子供の習い事、など将来性を考えている感じがします。そういったことも踏まえて、建設業は良い方向に向かっていってる気がしますね。人も減ってきているので、より良い待遇にしないといけないかもしれません。

建築業も月給制に移行していく中で、甫架設も2022年4月から月給制にシフトする運びになりました。すべての社員が月給制になりますし、有給などについても今まで以上に、きちんと取り組んでいきたいですね。”

給与形態の違いについて

給与
建設業での給与形態は数種類あります。

  • ・日給制:1日の給与が決められている形態で、日払いで給与が支払われます。
  • ・日給月給制:1日の給与が決めらおり、1ヶ月ごとにその月の勤務日数分の給与をまとめて支払う仕組みです。
  • ・月給日給制:決められている月給制のうち、欠勤や遅刻、早退をした分が控除される(マイナスになってしまう)給与形態です。諸手当分も含めて控除する場合を日給月給制、諸手当分を除いて控除する場合を月給日給制と呼ぶこともあります。
  • ・完全月給制:月給制ですが、欠勤や早退、遅刻をしても、その分の賃金を控除しない(マイナスにならない)給与形態を言います。主に管理職に適用されることが多い仕組みです。

なぜ「月給制」への移行がすすめられているのか

建設業の会社では、ほとんどが「日給制」か「月給制」をとっています。どちらがおすすめかというと、圧倒的に「月給制」です。

なぜなら、「日給制」が不安定となる時代が向こう2年以内に到来するからです。

保険の徹底や時間外労働の規制など、建設業でも「働き方改革」が年々厳しくなってきており、2022年には「公共事業」「ゼネコンの工事」は、もとより「大規模修繕」も土曜休みが徹底されるようになります。

ただでさえ、建設業は天候に左右されやすい仕事です。その上、土曜に稼働できないとなれば、月に安定して働ける日数を確保できる保証もなく、月によっては給料がいつもの半額以下なんて事態にも陥ってしまいます。

これからの建設業は、働く日数にかかわらず固定給が支払われる月給制でなくては、安心して働くことはできないでしょう。しかし、日給から月給へと給料体形の変更を会社の意向だけでは変えられないのが建設業界です。なぜなら職人の世界では、稼働した分がそのまま給料になる日給を好んで働いている職人も少なくないからです。

ですが、私たちは真剣に給料の在り方について考えなければならない時が来ています。稼働日が少なくなることがわかっている今、会社選びの段階からしっかりと考えなければならないのです。

 

評価が給料に反映されることも重要

明確な給与体系であることは重要ですが、頑張りがしっかりと給与に反映される仕組みも大切です。
例えば、

  • ・自身のスキルや資格に基づいて昇給するシステム
  • ・「残業しないと給料が上がらない」ということがない

などです。

例えば、甫架設では作業を任せられる領域が広がるにつれて昇給していくシステムを敷いておりますが、それでも「何をもって作業ができる尺度とするのか」はいささか不明瞭に感じますよね。様々な現場での経験や同じ現場に入る方への対応、お客様に対する提案力など……”成長”は技術と経験を複合的に判断するため、一概には言えない現状もあります。

そこで、甫架設では「資格」で評価をしています。20歳から取得できる「作業主任者」に「玉掛け」など、資格はわかりやすくできる作業範囲を広げることを意味します。

資格取得の金額は弊社が負担するので、普通はお金のかかる資格も無料で取得することができますし、現場にくる車両の免許も、弊社では実質ゼロ円で取得することが可能です。
(車両の免許取得のお金は、”立替える”だけなのですが、免許を持っていることで準中型なら5,000円。中型以上なら毎月1万円の手当が出る仕組みになっています)

実際はどうなのでしょうか?甫架設で働く職人に聞いてみました。

「足場屋」として転職して甫架設に来た先輩の話です。

19歳から足場屋の仕事を始め、今で3社目という32歳の職長です。仕事ができるようになるとしっかり給料にもそのスキルアップが反映される、弊社の給与体系には満足して働けているそうです。

以前勤めていた会社ではどうしても年功序列が強く、仕事ができるかどうかよりも入社歴で給料が決まってしまっていたことに納得がいかず転職先を探し始めました。実力が付いてきているのに給料が変わらないことにもどかしさを覚えたそうです。

ボーナスがきちんと支給される足場屋に勤めたのも初めてで、その会社の体制があるからこそ結婚し、子供が生まれても家族も安心して暮らしていけていると言います。

関東圏内の大規模修繕工事など民間工事だけでなく、公共工事も多数手がけている甫架設の仕事は日々現場が安定的にあります。
また、積極的に成長を促していく文化があり、職長などのリーダー職にもチャレンジしやすい環境です。

 

甫架設で働いてみませんか?

甫架設で働いてみませんか?
最後に、甫架設の代表である西澤と専務取締役である福田より、足場屋の世界を志す若い人に向けてメッセージをお送りいたします。

代表・西澤より

私は職人上がりです。高校を卒業してからゼネコンの現場で3年間、マンションや商業施設の鉄骨と足場に携わっていました。その後家業である西澤架設に従事したり個人事業主として3年間現場で働いていたこともありました。

そこから独立して甫架設をゼロからスタートさせ、現在会社は8期目を迎えています。今後より会社を成長させていくために仲間を増やしていきたいと考えております。

足場未経験の方はもちろん、将来は独立したいという熱い志を持つ方からのご応募をお待ちしております。独立に必要な資金を銀行から借りるための手続きや、材料を自身で所有するまで仕事を提供するといった面でサポートすることも可能です!

ぜひ、私にお気軽にご相談ください。

専務取締役・福田より

私は16歳から18歳まで足場工事をやっていました。そこから10年近く別の現場で働いていましたが、29歳でまたこの世界に戻ってきました。他の職種も経験したからこそ、私は足場工事の面白さを実感しています。

現在、私は現場の工程管理を行っており、安全かつ効率的に職人が働けるような作業伝達を行うことで現場をサポートしています。この工程管理の業務でも意識していることですが、私は若い子たちが生き生きとした職場にしたいと常に考えています。

怒って伸ばすという考え方は確かに業務を覚える上で一定の効果はあるかもしれませんが、離職に繋がり時代遅れだと思っています。若い子たちがのびのび個性を発揮できる環境を用意し、育つことでおのずと会社も一緒に成長できると考えています。

甫架設は平均年齢も若く、すぐに馴染めて働きやすい職場です。足場屋としてのキャリアをここから始めてみませんか。

「スキルがついているのに給料が上がらない」「将来が不安」

そんな悩みを持っているあなた。甫架設では寮も完備で遠方からでもチャレンジする人をお待ちしています。

 

整った教育システム

甫仮説では明確な評価と給与体系であなたをサポートします。例えば、足場に関する資格は会社がすべて負担します。また、有給休暇や賞与も設けていますのでしっかり頑張った分だけ還元される仕組みを設けています。

安定した給与体制がある甫架設で、一緒に働きませんか。

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