鳶職人で独立すると年収はどれくらいになる? 独立の方法や必要な資格を紹介
この記事では、鳶職人として独立する際の年収の見通し、必要な資格、そして成功するための具体的な方法を詳しく紹介します。今すぐ読んで、鳶職人としての新たな一歩を踏み出しましょう。
鳶職人の独立での年収はどれくらい?
鳶職人の年収について解説していきます。
独立前の鳶職人の年収
厚生労働省の資料に基づくと、独立する前の鳶職人の平均年収は約393万円程度です。
特に収入が高くなる40代から50代でも、年収は380万円から440万円の間に収まっています。平均値を見れば、一般的には驚くほど高い収入とは言えないでしょう。
この現状から抜け出し、もっと収入を増やしたいと考えている方にとって、独立は大きな魅力を持つ選択肢となるでしょう。
年収1000万円も狙える
一方で、鳶職人が親方として独立すると、年収は大きく跳ね上がる可能性があります。
独立後の平均年収は約500万円から600万円と言われており、中には年収1,000万円を超える人も存在します。言い換えれば、独立すれば「稼ぐチャンス」が格段に広がるというわけです。
親方になることで経験とスキルが直接収入に反映されるため、上限がないとも言えます。
鳶職人が独立する方法
鳶職人が独立するために必要なものは下記の5つです。
鳶職人の独立に必要なもの①:資金
独立する際には、まず資金調達が重要です。
建設業界での支払いサイクルは長く、締め日から支払いが完了するまで約2ヶ月ほどの間があります。この期間の運営費用を確保できるだけの資金が必須です。この点を考慮して、しっかりと資金計画を立てましょう。
鳶職人の独立に必要なもの②:足場資材
足場資材は独立する鳶職人にとって避けては通れない投資です。
1棟分の足場資材には100万円以上の費用がかかるとされており、事業を安定させるには最低でも20棟分が必要です。最初は完璧な資材を揃えるのが難しい場合、レンタルや手間請けを利用しても良いでしょう。
鳶職人の独立に必要なもの③:土場
資材を保管する場所、つまり土場も必須です。
月々の賃貸料や敷金が必要で、さらには土地を整える費用や防犯対策にも数百万円が必要になる場合があります。計画的に予算を組むことが求められます。
鳶職人の独立に必要なもの④:車両
足場資材を運ぶための車両も必要です。
特に大量の資材を保有する場合、複数台のトラックが必要となることもあります。車両は事業拡大と直結する重要なアセットなので、購入計画をしっかりと考えましょう。
鳶職人の独立に必要なもの⑤:建設業許可
最後に、建設業許可も忘れてはなりません。
税込500万円以上の仕事を請け負う際にはこの許可が必須です。許可取得には、管理責任者の要件、専任技術者の要件、そして財産要件があり、それぞれ一定の基準を満たす必要があります。
鳶職人が独立するまでにとっておきたい資格
鳶職人が独立するまでにとっておきたい資格は4つあります。それぞれ解説していきます。
とび技能士
「とび技能士」は鳶職人が持つべき国家資格のひとつです。
この資格は、仮設建築物の構築や解体、土止め、掘削といった鳶職人の仕事全般において、その技術力を証明します。ランクは3級から1級まであり、1級を取得するには少なくとも7年の実務経験が求められます。
この1級を持っていれば、独立するときに自分をしっかりと売り込む力になり、信頼性も高まります。
玉掛け技能講習
玉掛け技能講習は、クレーンでの荷物の吊り上げ作業などに関連する、鳶職人にとって欠かせない資格です。
「玉掛け」とは荷物を吊る際の作業、そして「玉外し」はそれを外す作業を指します。荷物の重さによって、必要な講習が異なるので注意が必要です。吊り上げ荷重が1トン未満なら「玉掛け特別教育」、それ以上なら「玉掛け技能講習」を受ける必要があります。
足場の組立て等作業主任者
足場の組立て等作業主任者という資格は、5m以上の高さの足場、吊り足場、張り出し足場の組立てや解体、修正作業に関わるときに必須です。
この資格を取得するためには、3年以上の実務経験が必要で、都道府県ごとに設定された技能講習を受ける必要があります。
特に独立する際にはこの資格が大いに役立ち、安全性と品質を担保するものとなります。
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者
建築物や鉄塔の鉄骨組立て・解体・変更作業においては、「建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者」の資格が要求されることが多いです。
3年以上の鉄骨に関する実務経験が必要とされ、都道府県が実施する技能講習を受講することで取得が可能です。
独立した際に多様なプロジェクトを手がける能力がこの資格によって証明され、更なるビジネスチャンスを生むでしょう。
鳶職人として独立するメリット
鳶職人として独立するメリットを3つご紹介します。
若いうちから稼げる
鳶職人として独立する際、経験年数はもちろん大切ですが、5年から10年程度のキャリアでも十分に生計を立てることが可能です。
独立すれば、かつての所属会社が確保していた利益が、今度はあなたの手元に残るわけです。加えて、建設会社や工務店への営業活動によって自分で案件を取り、必要に応じてスタッフを雇うことで、さらに大きな収益を上げる道も開けます。
独立することで、自分のビジネスを拡大するチャンスが広がるのです。
需要が高い仕事
鳶職人の仕事は今後も高い需要が見込まれます。
特に、業界自体が高齢化しているため、一人当たりの仕事量はむしろ増加する可能性があります。これは、独立後も安定した仕事量を確保できるという意味で非常に有利です。老舗の鳶職人が次第に引退していく中で、新たな才能が求められているのです。
独立すれば、このような市場環境を活かして大きく飛躍できるチャンスがあります。
未経験からでも始められる仕事
鳶職は未経験からでもスタートすることができ、特に学歴に縛られることなく業界入りできる点が魅力です。
最初は経験を積むために鳶職の会社で働き、その後で一人親方として独立するのが一般的です。最近では、鳶職人が減少しているため、体力と意志さえあれば採用してくれる会社も増えています。つまり、独立を目指す上でのハードルは意外と低いのです。
独自のスキルと経験を活かし、自分自身のビジネスを築いていくには、鳶職は非常に適した職種と言えるでしょう。
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